フラメンコを習って20年になる。普通これだけ長く続けていればプロではないかと思うだろうが、そんな易しいものではない。
始めたきっかけは父の死だった。喪失感でどうにかなりそうだった。何かやっていないと自分の中に空いた大きな穴を埋められそうになかった。ケアマネも始めたところで、いっぱいいっぱいになっていた。偶然、目にした案内を見てどうせなら自分から一番縁遠い所にあるものにしようと。
あのギターの音色、カスタネットの音、ダンサーの表情、手拍子、床を踏み鳴らす音・・何もかも格好良い!痩せ効果も期待した。さぁ、始めよう!
フラメンコは12拍(時計)の中でリズムを刻む。12から始まる・・リズムを身体で表現する。ブレリアは3拍子、タンゴは4拍子・・浅はかだった。第一、数字が苦手な私には何で12から始まるのか意味が分からない。リズム取りはもっとわからない・・・。
先生を真似て振りを覚えるのだが、足の動きを覚えたら手の振りと合わせる。すると足が止まり、どうやったっけ?両手、両足、顔、身体の向きと全部ばらばらに動かしている。足は右から踏む、重心を移動していないと踏めない。えーっ難しすぎる。左のプランタ(つま先)の時に左手は右腰に。左手ってどっち?子供の頃から左右も苦手だった。もちろん今も・・。ついこの前の視力検査も左右を言い間違えたほどだ。頭の中は覚えることでパンパン。えっと、先生の心臓どっち?・・という調子だから、よく続いていると我ながら感心する。 それでもレッスンで仲間と踊るのは楽しい。この歳になると周りに怒ってくれる人は少なくなる中、先生の怒号と罵声が飛ぶ。
今秋、3年に一度の発表会。舞台での並び方が覚えられず、本番で迷子にならないか心配だ。隣の人が○○さん、こっち、こっちと呼んでくれる。
私の場合、フラメンコは究極の介護予防になっている。20年の歳月は仕事のストレスの上に、更にフラメンコの覚えられないストレスをのせて、眉間にしわを寄せ、身体に肉感もついてフラメンコダンサーらしくなってきた。未だ、ソロを踊ることができないけれど・・この先も身体が続く限りやり続けよう!あっ、お金が続く限り・・に訂正します。