在宅福祉センター等職員の行動規範

この規範は、基本理念に基づき、本会職員が従うべき行動を示したものです。業務の遂行にあたっては、利用者はもとより、地域福祉推進の担い手である住民、広範な関係機関・団体、行政から信頼されるように職員一人ひとりが自覚と責任をもって行動し、社協に対する社会的な期待に応えていくことが必要です。

Ⅰ.人間の尊厳

1.利用者最優先

(1)利用者にわかりやすい表現で説明します。

(2)利用者に対して利益の相反する関係になることが避けられないときは、利用者を守る方法を優先し、それを利用者に明らかにします。

(3)支援を継続できない場合も、利用者を後回しにしないよう最大限の努力をします。

2.受容

(1)利用者に温かい関心を寄せ、利用者の立場を認め、利用者の情緒の安定を図ります。

(2)利用者の意思表出をはげまし、支えます。

(3)利用者を非難したり、無視したり、審判することがあってはなりません。

3.説明責任

(1)利用者の立場に立ち、その人らしく生活できるようサービスを提供する立場にあることを伝え支援します。

(2)利用者の権利を分かりやすく説明し明らかにした上で支援をします。

(3)利用者が必要な情報を十分に理解し、納得できるよう説明し、確認します。

Ⅱ.基本的人権

1.利用者の自己決定の尊重

(1)利用者が選択の幅を広げるために、十分な情報を提供し、利用者の自己決定を支援します。

(2)利用者の自己決定が重大な危険を伴う場合、あらかじめその行動を制限することがあることを伝え、そのような制限をした場合には、その理由を説明します。

2.利用者の意思決定への支援

(1)利用者の意思決定能力の状態に応じ、利用者の権利擁護に努め、エンパワメントを支援し、必要な社会資源を適切に活用します。

(2)自分の価値観や援助観を利用者に押しつけないよう注意して支援します。

(3)常に自らの業務が惰性に陥らないように、自己の点検に努めます。

3.プライバシーの尊重

(1)利用者が自らのプライバシー権を自覚するように支援します。

(2)利用者の個人情報を収集する場合、利用者の了解を得て行います。

(3)問題解決を支援する目的であっても、細心の注意を持って、個人情報を使用します。

4.個人情報の保持

(1)業務の遂行にあたり、必要以上の情報収集をしません。

(2)利用者の個人情報に関して、敏感かつ慎重に対応し、記録の保持と廃棄についても利用者の個人情報が漏れないように慎重に対応しなければなりません。

(3)業務を離れた日常生活においても、利用者の個人情報を保持しなければなりません。

5.記録の開示

(1)利用者の記録を開示する場合、必ず本人の了解を得て行います。

(2)利用者の支援の目的のためにのみ、個人情報を使用します。

(3)利用者が記録の閲覧を希望した場合、特別な理由なくそれを拒んではなりません。

6.情報の管理

(1)利用者の情報を電子媒体等により取り扱う場合、厳重な管理体制と最新のセキュリティに配慮する必要があります。

(2)利用者の個人情報の乱用・紛失・その他あらゆる危険に対し、安全保護に関する措置を講じなければなりません。

(3)電子情報通信等に関する原則やリスクなどの最新情報について学び、取り入れます。

7.あらゆる差別やハラスメント、虐待の禁止

(1)利用者に対して差別やハラスメント、虐待を行ってはなりません。

(2)利用者や関係者に対して肉体的・精神的苦痛を与えてはなりません。

(3)利用者が暴力やハラスメント、虐待の対象となっている場合、すみやかに発見できるよう心掛けなければなりません。

(4)差別やハラスメント、虐待に対する正しい知識を得るよう学ばなければなりません。

8.権利侵害の防止

(1)利用者の権利について十分に認識し、敏感かつ積極的に対応しなければなりません。

(2)利用者の権利侵害の防止についての啓発活動を積極的に行います。

Ⅲ.利用者サービス

1.実践現場と理念の遵守

(1)関係法令の遵守はもちろん、社会的規律や基本理念を実践現場で遵守します。

(2)実践現場で倫理上のジレンマが生じた場合、基本理念に照らして公正性と一貫性をもってサービス提供を行うように努めます。

(3)実践現場の方針・手続き等が基本理念に反する実践をしないよう、理念を意識しながら支援します。

2.業務改善の推進

(1)利用者の声に耳を傾け苦情の対応にあたり、業務の改善を通して再発防止に努めます。

(2)実践現場で常に自己点検と評価を行い、他者からの評価を受けるように取り組みます。

3.他の専門職等との連携・協働

(1)所属する施設内部での意思疎通が円滑になされるように積極的に連携・協働します。

(2)他の専門職と連携し、サービス提供の開発や変更について提案します。

(3)他機関の専門職と連携し協働するために、連携・調整の業務に努め、ネットワーク作りを進めます。

Ⅳ.専門的支援

1.専門性の向上

(1)研修・情報交換・自主勉強会等の機会を活かして、常に自己研鑽に努めます。

(2)常に自己の専門分野や関連する領域に関する情報を収集するように努めます。

(3)支援に有用な情報を共有し合い、互いの専門性向上に努めます。

2.専門職の啓発

(1)福祉専門職であることを自覚し、専門職としての使命と責任の重要性に鑑み、理論と実務に精通するように努めます。

(2)個人としてだけでなく専門職集団としても、責任ある行動をとり、専門職の啓発を高めます。

3.信用失墜行為の禁止

(1)あらゆる社会的不正行為に関わりません。

(2)信用失墜行為がないように互いに協力し、チェック機能を果たせるよう連携を進めます。

(3)利用者との専門的援助関係の適切な関係を尊重し、私的な関係になってはなりません。

(4)個人・宗教・政治的理由及び個人利益のために専門的援助関係を利用してはなりません。

(5)いかなる理由があっても利用者及びその関係者と性的接触・行動をしてはなりません。

(6)利用者から正規の報酬以外に物品や金銭を受けとってはなりません。

4.社会的信用の保持

(1)福祉専門職としての自覚と誇りを持ち、社会的信用を高めるよう行動します。

Ⅴ.地域貢献

1.社会への働きかけ

(1)利用者が望む福祉サービスを適切に受けられるように権利を擁護し、地域社会の一員として心豊かな生活が継続できるよう支援します。

(2)日常生活においても、地域福祉の増進に積極的な参加を心がけます。

(3)あらゆる地域の関係者による地域福祉をすすめる協働・協議の場(プラットフォーム)をつくる役割があることを理解し、あらゆる業務において、住民参加と地域における多様な組織や活動との連携・協働を心がけます。

(4)地域の実情を常に把握し、そこで捉えた福祉課題を地域全体の問題として捉え、先駆性をもって事業や活動の開発や改善に取り組み、さらに提言活動や改善運動を行い問題解決に向けたアクションにつなげます。

(5)社会における意思決定に際して、利用者の意思と参加が促進されるよう支援します。

2.ソーシャル・インクルージョン(社会的に弱い立場にある人々を社会の一員として包み支え合う)

(1)特に不利益な立場にある利用者が、選択と決定の機会を行使できるように支援します。

(2)利用者や住民が社会の政策・制度の形成に参加することを積極的に支援します。

(3)専門的な視点と方法により、利用者のニーズを地域社会に伝えます。

令和4年12月26日
社会福祉法人 神戸市社会福祉協議会

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