どうぞご期待ください。

神戸市社会福祉協議会理事長
今井鎮雄
理事長ごあいさつ
社会福祉協議会は、地域の団体、民間の団体が集まり、行政と連携して地域の様々な課題やその解決策を考えようというところから生まれた団体です。
現在、少子高齢化がすすみ、人々の価値観や生活様式が多様化する中で、生活におけるニーズは複雑で多様になってきています。また、インターネットの普及など情報化の発展にともない、生活における利便性は飛躍的に向上しましたが、反面、人間関係が希薄化してきているともいえます。人間関係の希薄化が招く老老介護や孤独死、あるいは児童虐待など多くの課題を解決していくために、これからは私たちみんなが、地域の中で繋がりを作り、人と人が支え合えることを目指していかなければなりません。
そのような情勢の中において、神戸市社会福祉協議会は、地域の方々とともに地域の問題を考え、共に取り組んでいくことが求められています。
共に生きる喜びを感じあえること、みんなが楽しみ合えることが福祉の原点だと考えています。
それぞれの人が持っている能力を十分に発揮でき、一人ひとりがより良い自立と社会参加を目指していく。そういう社会が必要です。
そうした意味から、神戸市社会福祉協議会は、ハンディキャップのある人もない人も、みんなが共に助け合い、そして喜びを感じ合える社会をつくり、地域に住んでいる私たち一人ひとりがそういった新しい福祉マインドを育んでいけるように努力してまいりたいと考えています。
このたび神戸市社会福祉協議会のホームページを全面リニューアルいたしました。
特に、「福祉」ということを身近なこととして感じていただけることを目的として、(1)親しみを持っていただけるビジュアル、(2)見やすさ、(3)新しい情報の発信などを心がけています。
この新しいホームページを通して、「思いやり」「助け合い」「ゆずりあい」のこころの繋がりの輪を広げていきたいと願っておりますので、いろいろなご意見をお寄せくださいますよう、どうかよろしくお願いいたします。

竹中ナミさん
神戸を拠点とする社会福祉法人プロップ・ステーション理事長。重度心身障害の娘を授かったことをきっかけに、障害者の自立と就労支援活動に携わる。元不良少女としての反骨精神を味方に、「ユニバーサル社会」の実現めざして内閣の各種委員も歴任。ニックネーム「ナミねぇ」。 »プロップステーションのHP
「障害者からチャレンジドへ」――私たちが使う「チャレンジド」とは「神から挑戦という課題・チャンスを与えられた人」を意味する最近の米語。プロップ・ステーションでは、ICT(情報コミュニケーション技術)などを武器に、障害があってもその人の持てる能力にふさわしい就労スタイルを見つけられるよう、各種研修や企業との人材マッチングコーディネートを行っています。そのスローガンは「チャレンジドを納税者にできる日本に」というもの。日本では「かわいそう」という目線で「保護」の対象と見なされがちなチャレンジドですが、彼らの多くが「努力してスキルを身につけて働きたい、仕事で社会に認められたい」という思いを強く持っています。遠く福井県からはるばる神戸まで毎週講習に通われた方もいます。人に頼られて相手に喜んでもらえる、その手ごたえを仕事で味わえるということは、生きる上でかけがえのない誇りです。
そのためにはチャレンジドであろうと一流の仕事をしてほしいから、その道のプロから学んでいただく。そんな理念に共鳴してくださる数々の企業のおかげで、ICTからお菓子作り、デザインの分野まで、チャレンジドと仕事との出会いの場は広がってきました。ひとりひとりの中に眠る可能性を引き出す、多様な働き方があると証明するモデルケースを、時間をかけて1個1個作り上げていくことが私たちの使命。そんな多様な働き方が許される社会は、チャレンジドに限らず、あらゆる人々にとって暮らしやすい社会であるはずです。
確かに壁は厚く高いですが、その壁に穴をあけることに元不良としては何よりやりがいを感じるんです。立ち上げ当初は異端だと思われていた私たちの活動も、少しずつ社会に受け入れられ、全国各地に同じような活動が広がりつつあります。でもそんな異端なことが始められたのも、神戸だったからこそだと思うんです。新しいものを柔軟に受け入れるオープンな街・神戸から日本を元気にしていけたらと思います。

松井泉美さん
創業以来約140年の歴史をもつ神戸名物・瓦せんべいの元祖「亀井堂總本店」の4代目店主夫人として取締役をつとめる。LD(学習障害)児のための教育ソフト制作を、元同級生グループとともに支援するなど、個人としてもボランティアに積極的に取り組んでいる。 »亀井堂總本店公式HP
初代以来の伝統で、うちのお店には「微力ながら神戸のお役に立てる存在でありたい」という思いが常にあります。阪神大震災の時には、安全確認のためお店に駆けつけたすぐその場で、社長がお店にあるすべてのお菓子の無料配布を決めました。後日「助かりました」と御礼のお手紙をいただいたのも忘れられません。
お菓子を作り販売するお店として、さまざまな仕事がありますが、少々のハンディがある方でも、その方にできる軽作業があるならお任せしようというスタンスで、これまでもごく普通に受け入れてきました。最近では障がいをもつ方の就職と自立を目的とした職業体験研修を市や県が推進していますが、そういった研修生の受け入れも少しずつ行っています。そんなことが特別じゃなく、社会全体で「あたりまえ」のことになるといいですね。
自分自身、子どもの頃からボランティアはごく身近なものとして取り組んできましたが、「ボランティアってただの奉仕じゃない」と思うようになった忘れられない出来事があるんです。それはあるターミナルケア(終末医療)の病院を訪ねたときのこと。死を目前にした患者さんが集まる、悲しく辛い場所であるはずなのに、そこで活動しているボランティアの方々の表情が、本当に心からの笑顔で光り輝いていたんです。その姿を見たとき「この方たちはここでかけがえのないものを得てるんだ」って確信しました。それは時間の大切さや生きてる素晴らしさの実感かもしれないし、患者さんたちの人生最後の輝きかもしれません。してあげる、ではなく、させていただける、ということのありがたさを感じること。そんな感謝の循環が街じゅうに広がれば、まさに「ラブ・リング」だと思います。

岡崎忠彦さん
神戸を代表する子ども服ブランド「ファミリア」創業者を祖父母にもち、アメリカでグラフィックデザイナーとして活躍したのち、2003年株式会社ファミリア取締役に就任。神戸元町本店3階では子どものための自由な創造体験空間を提供、プログラムの充実に取り組んでいる。 »ファミリア公式HP
日本で「福祉」というと、なぜか自分とは遠いもの、と感じる方も多いですが、たとえば子育てしやすい社会、というのも福祉のあるべき形のひとつです。2010年で創業60年を迎えるファミリアの、創業以来変わらない理念は「母親と同じ愛情をもってものづくりをしよう」ということ。育児とは誰かの愛情や手助けがないとできません。私たちの会社も、ただ子ども服を作るだけではなく、子どもが豊かに育つお手伝いをしたいと思っています。
そんな思いから、2003年にリニューアルした神戸元町本店では、3階を「キッズアーカイブ」と名付け、子どもたちが自由に「創造して」「体験して」「感じる」ことのできる空間として提供。子どものための工作アトリエや絵本の読み聞かせのほか、若いパパ・ママのためのマタニティセミナーやベビーマッサージ教室など、お店のスタッフ自身が工夫をこらして企画運営しています。いずれ海外とのインターナショナルな交流も、この場所から広げていきたいというのが夢ですね。また、この3階には親子で入れる広々とした清潔なトイレ、お湯やおむつ替え台が自由に使えて、個室も完備した授乳室などを、どなたにもお使いいただけるように開放しています。
子育て中のパパ、ママ、そして子どもたちを、愛情を持って迎え入れることのできるコミュニティを目指して、いつかはこんな活動を全国に広げていきたいですね。

大久保かれんさん
1968年神戸市生まれ。6~10歳までアメリカ・ニューヨークで暮らす。92年4月に神戸でFMラジオ DJとしてデビューして以来、数々の番組でパーソナリティをつとめている。 »大久保かれんさん公式HP
DJとしてデビュー2年目に体験した阪神淡路大震災。震災直後はとにかく市民の方々にとって大切な情報を正確に伝えるのに必死でしたが、あの当時、市民の中から自然発生的に、散髪ボランティアやあたたかい料理の配布、迷子になったペットの保護など、さまざまなボランティア活動が街かどの公園などを舞台に生まれていたのを覚えています。まさに日本の中では「ボランティア元年」と呼ばれるほどの大きな変化の時。そんな経験を経て、次第に自分の中でも、ライフワークとして社会貢献に取り組んでいきたいという思いが芽生えたんだと思います。最初は何をやったらいいのか分からなくて、気持ちだけがくすぶっていたのですが、3~4年前から、捨て犬の保護や、国際支援NPOなど、自分の興味にリンクする活動を行う方々に自らコンタクトをとって活動に参加させていただくなど、地道ながらアクションを起こせるようになりました。
実は身近に障がいをもつ家族がいるので、福祉の現場は私にとって決して遠いものではなかったんです。今はよい施設に入所し、生活に張り合いも出てきたようです。それを陰で支えているスタッフの献身的な働きには本当に感謝でいっぱいです。「ボランティア元年」を日本にもたらした神戸だからこそ、そんな福祉の現場の仕事にももっと光を当てていけるような、そんな街であってほしいと思います。

ジャネット・カワスジさん
兵庫県芦屋市生まれ。2000年、第1回神戸ジャズボーカルクイーンコンテストでグランプリ(1位)を獲得。ディナーショーやライブハウスでのパフォーマンスのほか、テレビの司会やFMのDJとしても活躍中。 »ジャネット・カワスジさん公式HP
私のモットーはいつも“Make somebody happy! (誰かを幸せにしよう!)”。5~6年前から、病院や老人ホームなどを訪ねてジャズを歌うボランティアをしています。お年を召した方など昔のスタンダードなジャズが好きな方が多いので、「幸せの黄色いリボン」「テネシーワルツ」「聖者の行進」などの定番ナンバーは必ず歌うんですが、そうするとみなさん、まるで昔の自分に戻られたかのように、軽やかにリズムをとって一緒に口ずさんでくださったりして、別人のように生き生きとなさってるのが分かるんです。歌は病いを持つ人に対しても良い細胞を再生させる力があるかのようですね。魂と魂でエネルギーの交換をしているように思えて、そんな時、音楽の力ってすごいんだって、こちらが泣きそうになるぐらい心が震えて感動します。
日本語で使われる「ボランティア」という言葉には「奉仕」のイメージが強いですが、本来英語の “volunteer”とはもっと大らかで力強い、個人個人の自発的な意志みたいなものをさしていると思います。関西弁でいえば「やったろうやん!」でしょうか。市民みんなが、たとえささやかなことでも「やったろうやん」精神でもっと気軽に、身近な誰かに手を差し伸べることができたら、神戸は今まで以上にもっと住みやすく素敵な街になると思いませんか?

朝原宣治さん
1972年神戸市生まれ。元日本代表陸上選手。2008年北京五輪4×100mリレー銅メダリスト。現在、NPO「アスリートネットワーク」や「NOBY(ノビィ)トラック&フィールドクラブ」(大阪ガス所属)を通じて、子ども向けスポーツプログラムの充実に取り組んでいる。 »NPOアスリートネットワークのHP »NOBY トラック&フィールドクラブのHP
未来の見えにくい現代ですが、子どもたちには夢をもって元気に育ってほしい。そんな願いから、現在さまざまなトップアスリートとのつながりを生かして、子ども向けスポーツプログラムを実践しています。いずれは病気をもつ子どもたちにも、スポーツを通じて生きる勇気を与えるような何かができないか、現在模索中です。
選手として、社会人として、ひとりで壁に立ち向かわなければならないとき、最終的にモノをいうのは、どれだけ自分に自信が持てるか、です。その自信がどこから来るのかと考えるとき、子ども時代の環境はとても大切だと思うんです。どんな小さなことでも、できなかったことができた体験や喜び、それを肯定してくれる家族や周囲の人々の愛情。子ども時代にその感動をいかに多く蓄積しながら育つかが大きな鍵だと思います。
私たちのNPOでは、多くの異競技のアスリートとのつながりがありますが、それぞれ育った環境も違えば、競技にたずさわるきっかけ、夢をつかむ過程も十人十色。そんなアスリートたちから競技を教わるだけでなく、彼らの語る話を通じて、いろんな生き方があり、失敗も挫折もあるけれど夢に到達する道はひとつじゃないんだ、ということを子どもたちが自然に学んでくれるといいなと思います。
私も選手生活の中で、怪我などの挫折を経験していますが、そのたびに陰で支えてくれる人々がいたことに感謝しています。今度は若い世代が壁にぶち当たったとき、何かしら支えになれる存在でありたいなと思っています。
神戸市社会福祉協議会 愛の輪ねっと





